STEAM教育における「Art(芸術)」と情操教育の本質|長女の書道体験から考える「AIのように人間を改良する教育」からの脱却

長女が「習字をやってみたい」と言いはじめたので、体験教室に行ってきました。
「友達が通っているところに行きたい」といった動機で動くことは全くない性格のうえ、本人がすごく興味もあるようなので即決でした(笑)。

1時間ほどかけて、毛筆・硬筆を丁寧に教えていただいたのですが、本人はとても楽しかったようで、次に行く日を今から待ち焦がれています。

初めての毛筆
▲ 初めての毛筆
初めての硬筆
▲ 初めての硬筆

01. STEAM教育における「Art(芸術)」の位置づけ

以前にも少し触れましたが、現代の教育において注目されている「STEAM(スティーム)教育」という概念があります。
STEAMとは、以下の5つの分野の頭文字を組み合わせたものです。

  • Science(科学)
  • Technology(技術)
  • Engineering(工学)
  • Art(美術・芸術)
  • Mathematics(数学)

数学なんかは普段の授業でもやっていますし、科学・技術・工学あたりは工夫すればウチでも子どもたちに触れる機会(ロボット制御やプログラミングなど)を与えられるのではないかと考えているのですが、「美術(芸術)」に関しては学習塾の中ではなかなか難しいですよね(笑)。

幼児教育には芸術に通ずるものがあると思いますが、やはり専門の教室に習いに行くのはすごく良いことだと思います。
実際、今回書道教室に行ってみて、大人である私もその文字や所作の美しさに感銘を受けましたし、感受性が純粋な子どもにとっては、それは計り知れない体験になるのだと感じました。

02. 「機械やAIのように人間を改良する教育」からの脱却

今回の体験を通して改めて感じたのは、「幼児や小学生の頃は、単に作業性を高める習い事よりも、芸術(書道、音楽、絵画、陶芸など)や『考える力』を養うことにウエイトを置いた方が良いのではないか」ということです。

DESIGN_01 // 数値化できない「情操教育」と親の安心感のジレンマ
芸術や思考力を育むといった情操教育は、その成果を短期的な「数値」で表すことが難しい領域です。親としては、すぐに目に見える結果が出た方が安心できますし、「通わせている」という達成感も得やすいでしょう。
DESIGN_02 // 「人間を手軽に教育するためのドリル」がもたらす副作用
ただ、そうした「すぐに結果の出やすいもの」は、ヒトがヒトを手軽に・効率よく教育するために開発したモノ(相当工夫されたパターン化テキストや反復ドリルなど)を使っていることが多いです。ひょっとすると私たちは、機械やAIが分かりやすいように教育(改良)しているのと同じように、子どもたちを教育してしまっているのかもしれません。
DESIGN_03 // これからのAI時代を切り開く「人間らしさ」
単純な処理速度や作業の正確性でAIに勝つことはできません。もっと人間らしく、自分の感性と頭で試行錯誤できる力こそがこれからのAI時代を切り開いていける教育であり、その大切なひとつが「情操教育」なのではないかと思います。

目先の作業スピードや短期的な数値にとらわれず、幼少期・小学生期にしか育てられない「美しいものに感動する心」と「自分の頭で深く考える土台」を、親としても指導者としても大切に見守っていきたいですね。

HUMANITY & THINKING ARCHITECTURE // ENGINEERING & ROBOTICS LAB

作業をこなす「機械的な反復」ではなく、人間らしい感性と「考える力」を育てる。

当ラボでは、子どもたちをパターン化されたドリルに当てはめて短期的な処理速度を競わせるのではなく、なぜそうなるのかを自分の頭で考え抜く「思考のプロトコル」と、実体験を通じた知的好奇心を重視しています。当ラボの教育理念や、学習相談・お問い合わせについては以下よりご覧ください。