2020年3月上旬、全国の学校が突然の一斉休校となったあの日。当塾では休校わずか3日目の段階で、2年前から教室に導入していた電子黒板(BIG PAD)を核として「双方向オンライン授業」へと即座に舵を切りました。
本稿は、その当時に全5回シリーズとしてリアルタイムに発信した記録「学びを止めないオンライン授業(準備編・未来編・実践編・比較編・方法編)」を1つにまとめたアーカイブです。
01. 【準備編】休校3日目の決断——2年前から導入していた電子黒板が活きる時
学校が休校になり、3日目になりました。早い人では、先週末に出された宿題をもう終えてしまったようです。家庭訪問で新しい宿題が配布される予定もありますが、自宅での勉強時間、きちんと取れているでしょうか。
毎日朝から夕方まで勉強していた、その学びの時間が、宙ぶらりんの状態で各自にゆだねられている。学生のみなさん、時間をうまく使えていますか。
当塾では、2年前に電子黒板を導入し、授業で使ってきました。オンライン授業は以前から考えていましたが、今回、改めてその利便性や有効性を痛感しました。その機能を活かす時が来たのではないかと思います。
今週から生徒たちの端末側で準備を進めていますが、普段の授業とほぼ同じ環境で受けられることが確認できました。来週末にはさらにもう1台入れる予定ですので、より多くの子どもたちが、より快適に、そしてより効果的な授業が受けられるようになります。
本当は毎日、決まった時間に勉強に集中できる時間があると好ましいのですが、1週間の中で数時間だけでも、そんな時間が作れるとよいのではと思います。
当塾としては、確認ができ次第、オンライン授業を選択していただいても大丈夫です。今後また状況が変わっても、あせることはありません。準備をしておけば冷静に対応できます。これまで通り授業も受けられます。パニックにならずに、落ち着いて対応していきましょう。


できるだけ多くの子どもたちが、学び続けられる環境でいられるよう、私たちもできる限りのことを精一杯していきたいと思います。がんばりましょう!!
02. 【未来編】端末を通じて世界とつながる「近未来」への感動
オンライン授業を始めてみて感じることです。それはズバリ、「近未来」。
情報社会・国際社会で端末を通じて世界につながる時代。正直、感動です。「こんな時代が来たんだな」と。頭ではわかっていたつもりでしたが、「なるほど、そういうことか」としみじみと感じました。
これまで、都合が悪くて塾へ行けないことがありました。送り迎えの都合がつかない。台風や震災で道がふさがっていて行けない。もしくは選ぶことすらできなかった……近くに塾がない。
様々な事情で勉強する機会が得られなかった、あるいは勉強をあきらめざるをえなかった子どもたち。時代が変わって、端末があり、インターネットにつながる環境さえあれば、ほかの子と同じように塾で勉強することができるようになりました。もう悩まなくていい。悲しまなくていい。可能性は無限に広がります。一緒に夢をかなえましょう。
できなかったことができるようになる。文明の利器は、やっぱりすごい。
これを使えるようになった子どもたちは、大人になったらどんな未来を見るのでしょう。家庭用ロボット、完全自家発電の生活、空飛ぶ車。そんなものはもうすぐそこまで見えています。まさしく近未来の中にあります。もっともっと想像をはるかに超えた未来が待ち受けていると思うと、楽しみでなりません(でもその頃はきっともう私はいませんが……笑)。
インターネットができるようになったころ、世界のどこからでもアクセスできるというその仕組み自体に感動したのを覚えています。そして今、さらに有意義で、役立てられる道具や仕組みに感謝です。今を生きて、未来を見よう。ともに感動できる社会があらんことを。
03. 【実践編】英語のオンライン授業で見えた課題と、「仲間と共有する緊張感」
実際に英語のオンライン授業をしてみました。
授業中に開いたのは、教科書とワークとノートだけです。電子黒板には教科書のページがドンとアップで表示されているので、今見て説明しているものは、画面の切り替えをその都度マメにすればわかります。
ただ、読んでいる場所をたどる私の指が見えないため、途中でどこを読んでいるかわからなくなる可能性もあるのかなと思いました(ソフトのマーカー機能などを活用して改善していきます)。また、リスニングの音はコンピュータの音を直接共有すると大き過ぎたようなので、次は共有を外して音をマイクから拾ってみることにします。それでも授業を行う上では特に問題もなく、通常通りできたのではないかと思います。

ひとつ問題があるとすれば、教室で課題に取り組んでいる最中のノート、あるいは宿題をやってきたときのノートを、こちらがその場で見ることができないということです。見せてもらうには生徒側でノートにカメラを向けてもらわなければならず、それは動作として面倒をかけるし、そこまで強要することもないと思います。
普段の授業では、その生徒がどういう間違い方をする傾向があるのか、あるいはわからなかった単語などを把握しながら問題を振ったり質問したりします。それが直接見えない分、教師側が授業内での受け答えから生徒の力をより想像し、生徒側がより積極的に質問をしていく必要があるのではないかと感じました。
そして何より良いなぁと思った点は、「その場にいないのに参加できている、その場にいる生徒の声が聞こえ、いない生徒の声も聞こえ、どちら側にもよい緊張感がある、ある意味授業を共有している『仲間』というような感覚が持てる」ということです。
これは今はまだ実感としてはわかりにくいものかもしれませんが、今後どこかの時点で思い返したときに、「実は自分は素晴らしいことを体験していたのではないか」と思うにちがいないと感じました。「1対1」ではどうしても出てしまう甘えもなく、「ひとりではない」というような安心感、適度な刺激があることはやはり魅力的だと思います。これは体感してみないとわからないと思いますので、気になるようでしたらぜひ体験してみてください。
04. 【比較編】「映像授業」「双方向LIVE配信」「AI学習ツール」の3方式を比較する
オンライン授業とは、インターネットを介していつでもどこでも受けられる授業のことです。インターネットにつながる環境さえあれば端末はスマホでもタブレットでもPCでもよいわけですが、黒板(当塾ではホワイトボード・電子黒板)の内容を表示するので、できるなら画面が大きいタブレットやPCが見やすくて目も疲れにくく理想的です。
オンライン授業の手段には大きく分けて次の3つがあり、当塾で行っているのは2つ目の「双方向のLIVE配信授業」です。
- METHOD 01 // 講師による一方向の授業が一斉配信される「映像授業」
- 1990年代の初め頃から行われていて、有名講師の授業を何度も繰り返し見ることができるため、予備校に遠くて通えない地方の大学受験生にとっては夢のようなツールだったと思います。現在では各教材会社でも作られ、手元の教材を映像で解説してくれるようにまでなりました。ただ、授業中に生じた疑問や日頃の疑問をぶつける先がなく、よほど力のある生徒以外は消化不良でいるか「理解したつもり」で過ごしてしまいがちです。また1対多数でいつでも見られるため緊張感がなく、「見ているだけ」になることもあります。
- METHOD 02 // 双方向にやり取りができる「LIVE配信授業」(★当塾の方式)
- 双方向でのやり取りができるので、講師が生徒に問題を振ったり生徒が質問したりと活発な授業ができます。決まった学習時間を持て、自分以外の生徒も参加しているため適度な緊張感や刺激が得られます。インターネットさえあれば自宅でも避難場所などでも参加でき、受け答えの様子から理解度を把握してレベルに合わせた声がけや課題提示が可能です。何より「ひとりではない」ことが甘えを許さず、少人数(多くても12人以下)だからこそ程よい議論とつながりが生まれ、心細さを感じさせません。
- METHOD 03 // 学習データを蓄積・分析する「AIによる学習ツール」
- 学習データを分析して問題点を提示したりレベルに合った問題を選出したりするもので、人間が行うより効率的かつ客観的なため、学習支援や言語学習(発音認識など)で一定の効果が期待されています。ただ、やはりAIなので「思考に関する記述問題の採点」は2〜3割が的確でなく、新しい大学入学共通テストで記述問題が見送られたのもAI採点に限界があるためです。となると、思考を鍛える普段の授業をAIが担うのはやはり難しいのではないかという見解になります。
LIVE配信授業の今後の課題は「宿題の進度状況の確認」ですね。生徒に顔を出してもらう機会を設け、宿題の進捗や理解度をその都度確認できるよう工夫していけば、これまで通り子どもたちの学力の再確認や細かな指導がしていけると思います。
05. 【方法編】Webカレンダー連携による「オンライン授業への参加ステップ」
さらに、オンライン授業により簡単に、より効率よく参加できるよう、ホームページ上に専用のカレンダーシステムを整えました。参加方法は次の通りです。
- STEP 01 〜 03 // ホームページの「オンライン授業カレンダー」から選択
- 1. インターネットにつながる端末から、当塾ホームページを開いてください。
2. メニューの「山本学習塾について」から、「オンライン授業」のページを開いてください。
3. 自分の受ける授業をカレンダーから選び、「オンライン授業に参加する」のURLをクリックすると、Zoomが開きます(インストールしていない方は事前にしておいてください)。 - STEP 04 〜 06 // パスワード認証と待機室からの入室
- 4. パスワードを要求されますので、お手紙でお渡しするパスワードを入れてください。
5. 待機室に入ります。
6. 授業時間になったら講師がつないで開始です。

また、教室側の状況がよりわかるように、近日中に追加のカメラを設置する予定です。
ますます楽しくなりますね。どのような社会状況にあっても子どもたちの学びを決して止めないよう、これからも環境と仕組みを進化させ続けていきます!
■ あわせて読みたい(STEM LAB 指導指針):
➔ 「理学」と「工学」を繋ぐミッシングリンク|数式は人類が「究極に楽をする」ために発明した最強のコマンドである
NEVER STOP LEARNING // ENGINEERING & ROBOTICS LAB
2020年春の「オンライン授業システムと進捗管理」から進化した、独自学習管制『LAB DECK』。
この記事で記録されていた「Webシステムによる学習アクセス」と「手元の進捗・理解度のリアルタイム管理」という試行錯誤は現在、当ラボが独自開発した学習管制システム『LAB DECK』および少人数制の伴走指導として結実しています。システムの詳細や推薦図書・映画データベースについては以下よりご覧ください。
