「教科書の丸暗記」が通用しない時代へ|大学入学共通テストと英語4技能化が求める「処理速度(WPM)」と「構文力」

これまでの学校や入試での英語の評価は「文法、長文読解、リスニング(=つまり読む、聞く力)」重視のもので、定期テストは学校の教科書を丸覚えしていれば通用していたかもしれません。

ですが、大学入試改革の一環で評価の対象は4技能、つまり「読む、書く、聞く、話す力」へと移行しつつあります。また、出題される単語量は30年前と比べて2~3倍に増加し、入試自体がより難化しています。暗記に頼るのではなく、英語をより実践的に、応用できる力が求められています。

01. そもそも大学入試改革で「英語」はどう変わるのか?

従来の「センター試験」が廃止され「大学入学共通テスト」が実施されるようになり、特に英語の科目では求められる力のバランスが大きく変化しています。

CHANGE 01 // リスニングとリーディングの配点比率が「5:5」へ
従来のセンター試験では「2:8(50点:200点)」だったリスニングとリーディングの割合が、共通テストでは「5:5(100点:100点)」となり、音声を正確に聞き取る力の比重が大きく引き上げられました。
CHANGE 02 // 民間の「英語4技能試験」のスコア活用の拡大
共通テストや大学独自の試験対策と並んで重要になるのが、民間の4技能検定試験です。4技能試験でのスコア(級)は、すでに私立大学や国公立大学の多くで「出願資格」あるいは「加点・英語試験の免除(みなし満点)」として導入されています(詳しくはコチラの活用大学一覧PDFをご覧ください)。

多くの大学では、提出可能なスコアに「高2以降に受験したもの」といった有効期限を設けています。そのため、高2のうちに一度4技能試験を受けておき、高3で余裕を持って目標スコアを取得できるように計画を立てておくと安心です。

4技能試験としては、英検やGTEC、TOEFLなど色々とありますが(➔ 4技能試験とCEFRの比較表PDF)、中でも英検やGTECは比較的受験料が抑えられており、身近な会場や学校で受験できることから、中高生が目標として挑戦しやすい試験と言えます(ただし英検の2次面接試験は本会場へ行く必要があります)。

次に、共通テストの具体的な出題内容について、セクションごとの変化と対策を考えてみましょう。

02. リスニングとリーディングの要求水準(WPMの壁)

SECTION 01 // LISTENING

リスニングの変化(140 WPMへ)

  • 読み上げ速度が120wpmから140wpmへと速くなります(wpm:Words Per Minute=1分あたりの英単語処理数)。
  • 読み上げ回数が「1回のみ」の問題も出題されます。
  • 話し手が3人より多くなる会話も登場します。
  • 非母国語話者(ネイティブスピーカー以外)も登場します。
  • 答えが一つとは限らない問題も出題され、全体の出題数が増えます。

SECTION 02 // READING

リーディングの変化(全問長文化)

  • 扱う単語数が4,200語から5,400語以上(約1.3倍〜)に増えます。
  • 発音・アクセント、並び替え問題がなくなってすべて長文問題になります。
  • 設問はすべて英語で出されます。
  • 答えが一つとは限らない問題も出題されます。
  • 大問・設問の数は整理され、1問あたりの読解量が増えます。

リスニングにおいて、ネイティブの演説では120wpm、講義や検定試験では140wpm、ニュースでは160~180wpmとされています。またリーディングにおいても、センター試験では平均60wpmで処理できていたものが、共通テストでは単純計算で約80wpm以上が必要となります。

つまり、感覚的な拾い読みではなく、「英語の語順と構文に沿って、速く・正しく読み聞きし、判断する力」が不可欠となっているのです。

03. 難化しているのは間違いない:小・中学校からの語彙と基礎固め

この大学入試の難化に合わせて、小・中学校で学ぶべき英単語の量も大きく引き上げられています。

VOCABULARY SHIFT // 中学校教科書の語彙数の推移
公立の中学校で使われている教科書の語彙数は、以前は900~1,000語でしたが、1,200語へと増え、新学習指導要領では小学校で学ぶ600~700語に加えて、中学校で1,600~1,800語(小中合計で約2,200~2,500語)を学ぶカリキュラムとなっています。
TARGET BENCHMARK // 英検3級(約2,100語)からの段階的突破
中学卒業程度の英検3級で求められている語彙数は約2,100語です。検定試験に合格し、さらに高校の準2級・2級へと繋げていくためには、小・中学校で学んだ語彙と文法のルールを確実に身につけておく必要があります。

日々の学習の意識づけのためにも、英検などの4技能試験を早いうちから定期的に受けて自分の現在地を客観的に把握し、一つずつ着実に対策を取っていくことが何より重要です。

LANGUAGE PROTOCOL & LOGIC LAB // ENGINEERING & ROBOTICS LAB

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