去年の暮れに公開された『6アンダーグラウンド』。
『アルマゲドン』・『トランスフォーマー』シリーズのマイケル・ベイ監督の作品で、Netflixオリジナル映画。
いや~、とてもスリリングで『ミッション:インポッシブル』シリーズが好きな人なら結構ハマるかもしれないです。
内容は観てのお楽しみということなのですが、この映画に描かれているのは新旧の組織のあり方なのではないのかと感じました。
”ワン”と”セブン”は考え方が違う
”ワン”とか”セブン”とか言っても何のことなのか意味不明でしょうが、これは組織におけるコードネームで、”ワン”はリーダー、”セブン”は新参者という設定になっています。
”ワン”の考え方は、組織内のメンバーはそれぞれの名前も知らない方が良い、それぞれの内面なんかに触れる必要はない、恋愛なんてもってのほか、とにかく自分の役割だけをこなしていけば良い、そういったスタンスです。
一方、”セブン”の考え方は、組織内のメンバーはそれぞれの名前を明かせばよい、それぞれのメンバーがお互いをよく知り仲良くなれば良い、他のメンバーが困っていたら自分の役割ではないけれど助ける必要がある、”ワン”とは違うスタンスです。
自分はどんなことで悩んでいるのか、求めているのは何か。どんな価値観を持っているのか。それを開示しない人間関係を「ビジネスライク」だと考えている人もいるでしょう。
しかし、「仕事だから本音を言わない」「会社では感情を見せない」というのはビジネスにおいては致命的に危険なことです。
信頼できない人間関係においては、コミュニケーションがスムーズにいかず、情報が流れません。不都合な情報を隠したり、偽装したり、ありとあらゆるデタラメが出てくる可能性があります。
ピョートル・フェリークス・グジバチ 『Google流 疲れない働き方』 (SBクリエイティブ 2018年) pp.150
確かに、”ワン”の考え方だと何を信用すればよいか分からなくなり、すごく疲れる組織になりますよね。
一方、信頼関係の上になりたった”セブン”の組織はとても魅力的に感じます。
マインドフルネス
”ワン”も”セブン”もスピード感を要求される組織において、どうすれば効果的に組織を運営できるか考えている点では一致していると思います。
おそらく違いは、「自分だけに向けたマインドフルネス」(ワン)と「他人に開かれたマインドフルネス」(セブン)にあるではないでしょうか。
そして、「他人に開かれたマインドフルネス」とは、
「Sympathy」=「同情」
「Empathy」=「共感」
「Compassion」=「思いやり」
ピョートル・フェリークス・グジバチ 『Google流 疲れない働き方』 (SBクリエイティブ 2018年) pp.148
つまり、感情を含めて相手の状態を感じ、理解し、働きかけるということです。
ちなみに、それぞれの項目をもう少し分かりやすく説明した箇所を抜き出すと、
「Sympathy」。これは困っている人を見たら、「可哀想だな」「気の毒だな」と感じることです。英語でいうと、I feel for you.です。
「Empathy」は、相手と同じ立場に自分を置いて、感情を共有することです。英語では、I understand you.となるでしょうか。
「Compassion」です。これは単に共感するのではなく、相手を助けてあげたい、そういう温かい気持ちを持つことを指します。英語でいうと、I want to help you.です。
ピョートル・フェリークス・グジバチ 『Google流 疲れない働き方』 (SBクリエイティブ 2018年) pp.148,149
ということになります。
最後に、「他人に開かれたマインドフルネス」を実践すれば、もっと生産性のあがる組織(疲れない組織)ができるんじゃないか?!ということで、それぞれの特徴がリストアップされているのでご紹介します。
疲れる組織
- 忖度が多い
- 本音を言わない
- リスクをとれるだけの信頼感がない
- 役割も期待されていることも曖昧
- 何かあったら誰かのせいにしようとする
疲れない組織
- 「わからないこと」は「わからない」と言える
- 本音が言える
- リスクをとれる信頼感がある
- 役割と期待が明確
- 失敗を開示して、組織として次につなげられる
他にもおそらくたくさんあるのでしょうが、どうですか?
自分の所属している組織に当てはまることは結構あるんじゃないでしょうか?
・・・色々ややこしく話を繋げましたが、とりあえずは『6アンダーグラウンド』面白いです!!