本は人生を幸せに、豊かにしてくれる

 

noriのおススメで読んでみました。

藤原和博『本を読む人だけが手にするもの』(2020年5月、筑摩書房)。なんとも人生を豊かにしてくれる本です。

まさにマインドセットとなるような本でもあり、読書することに対する意識をゴロッと変えてしまうような本でもあります。

まだ読み途中ですが、印象的なところをメモしておこうと思い、記事にしてみました。

 

読書をするだけで、ほぼ「10分の1」の人材になれる

タイトルを見たときに、正直言って「本当に?」と疑ってしまいました。

そんな簡単に逸材となれるものなのかな?と。

でも読んでいくと、「なるほど!」と思ったんです。これは習慣の違いですね。

どういうことか紹介しますね。

 

まず、『パチンコに行くか行かないか』という選択肢があるとします。

>「行く」→パチンコは何も生み出せないから行く人は時間を無駄にしている

>「行かない」→では次に何をするか、というのでまた分かれます。

『スマホのゲームをするかしないか』

>「する」→これまた頭を使っていないからする人は時間を無駄にしている

>「しない」→これだけで4分の1の人材になれる、というわけです。

そしてそのとき、『読書をするかしないか』、この選択で人生を幸せにすることができるかできないかが決まって来る。ここで『読書をする』を選ぶと8分の1、つまりほぼ10分の1の選択肢を取ったことになる、したがって10分の1の人材になれる。こういう主張なわけです。

最初目にしたとき、これは極端な選択の仕方だなぁ!と正直思いました(笑)でもあながち間違ってもない。独特でおもしろい。それに選択の習慣は、成功法則の一つでもある。前向きな考え方や冷静なものの見方。クセ付けしないと身につかない。よい癖なら身につけたいですね。でもゲームは好きだし楽しいし…(出た!言い訳!)となると、今までゲームをしていた30分のうち、その半分の15分だけでも本を読む時間に変えていくとすれば、幸せになる可能性は今より2倍高くなる、ということでしょうか。ハマってしまうと15分どころか徹夜してでも読みたくなる時もありますが…(笑)まぁこれから意識して本を読んでいきたいとは思いました。

 

どうやって「それぞれ一人一人」の幸福論を築くか

成熟社会では、「それぞれ一人一人」が自分自身で、世の中の流れと自らの人生とを鑑みながら、自分だけの幸福論を決めていかなければならない。(p.21)

「それぞれ一人一人」の幸福をつかむための軸なる教養は、自分で獲得しなければならない。そのためには、読書が欠かせないというところに行き着くのだ。(p.23)

 

筆者は裏付けとする根拠をこう説明しています。

これまでの社会は、「みんな同じ」という考えが前提にあって、電話は家庭で一つ、職場で一つのものを使っていた。それが今では「一人一つ」になって、話したい人と直接話をする。おかげで効率的でスピーディになった。引き出物も昔は食器や時計など、主催者側が決めた一つのものを招待客に持って帰ってもらっていた。今ではカタログギフトが主流になり、各自がそれぞれ好きなものを選ぶ。

選択肢が増えたということは、その中からどれを選べばよいのか、ひとりひとりに決定権があり、日頃からその選択を行っていることになる。幸せになるには何を選び、どうすればよいのか、という選択も自分でしていかなければならない。その「どうしたら幸せになれるか」は何で判断し、何を頼りに決めていけばよいか、というのは、親でも学校の先生でもなく、それこそが本なのである。

 

ざっとまとめるとこんな感じです。確かにテレビや動画もそうですね。みんなで見ていたテレビ番組。今はメディアが「一人一つ」になったおかげでそれぞれが好きなものを見ます。レストランへ行っても「みんな同じ」ものを食べる必要もなく、好きなものが食べられます。ニーズが多種多様になって、流通や家電の発達、情報社会の高速化・高精度化とメディアの普及に伴い、提供する側もそれに応えられる時代になったということです。今更「みんな同じ」ものを求めてはいないんですね。それが良いか悪いか、という議論はまた別の話なのでここでは控えます。ただ、まちがいなく「一人一人」が行う選択の機会が増えて、選択したときの心のあり方や、状況が違う中でのものの考え方などが重要になってきているということについては私も同感です。

学校では団結力や協調性を養うのにみんなで何かを作り上げたり同じ行動をしたりします。特に昔はみんなと違うことをしたり違うものを作ったりすると、それはダメだと注意されていました。まさに「出る杭は打たれる」ですね。先日、学校や家庭向けのプログラミング教材をつくっている讃井康智さんはNEWSPICKSで言っていました。

それは強い軍隊を作り上げるために必要なことだったのかもしれない。でも今や学校には「一人一つ」のiPadが入り、もはや一斉授業する必要がなくなった、今後は自分のペースで勉強ができるようになるはずだ。教育DXで、今後はこの「一人一人」のニーズに合った授業形態になるだろう、と。

 

これからは自分の力で、幸せになるために本を読み、勉強していく時代。

親や先生がいるうちは、その言葉を素直に受け止め、その通りにしていけばいいかもしれない。

でも大人になって判断してくれる人がいなくなったら、自分で決めたことに対し、それを良しとしていったほうがいい。

書家で詩人の相田みつをさんも言っていましたね。

しあわせはいつもじぶんのこころがきめる

 

選択がたくさんできるようになり、ある意味厳しくなった。でも同時にとても自由になった。

そして生き方自体に正解や不正解はなく、だれも答えは教えてはくれない。

ただ、よりよく生きるためのヒント。より幸せになるためのヒント。

自分でした判断を後悔しない心のあり方。そもそも間違った判断をしない方法。成功していくものの考え方。

そうしたヒントを本に求めるのは、先人たちの知恵を知るためなのでしょう。

きっと誰かが教えてくれる。きっと何かがあるはず。

 

私ももっともっと本を読んで、より楽しい人生、より穏やかな日々を送りたいですね。