私たちがラボを構える多気町相可台のすぐ近くに、地域の氏神様である「相鹿上(おうかがみ)神社」があります。
かつて長男の七五三の折、私自身が子供の頃に着ていた袴を手直しして参拝へ出かけたときの記憶は、今振り返っても「人間の感情と行動のスイッチ」について多くの示唆を与えてくれます。
01. 拒絶を熱狂に変える「リフレーミング(視点の再定義)」
その日の朝、慣れない袴を前にした息子は「いや!いや!」と拒否の一点張りで、まったく着替えが進まない状態(フリーズ状態)にありました。
ところが、こちらが「かっこいいね!すごいね!」と声をかけ続ける中で、ふと「恐竜さんみたいだね!」と口にした瞬間、状況が一変しました。有頂天になった息子は、とうとう「ガオー!」と叫び出し、あれほど嫌がっていた袴をあっという間に着終えてしまったのです。
- BEFORE // 義務としての押し付け
- 「七五三だから着なさい」という大人の都合(意味の分からないルール)として提示されるため、強い拒絶反応が生じる。
- PROCESS // メタファーによる再定義(リフレーミング)
- 「窮屈で慣れない着物」という認識を、彼が大好きな「強くてかっこいい恐竜への変身」という比喩へと書き換える。
- OUTCOME // 内発的動機の着火
- 外部からの強制ではなく、自らのワクワク感によって主体的に行動を完了する。
これは学習の現場においても全く同じです。「テストに出るから覚えなさい」では動かない子供も、「この数式はゲームやドローンを動かす設計図なんだよ」と視点の角度を変えてあげるだけで、驚くような推進力を発揮し始めます。
02. 絵馬に託す願いと、『星に願いを』の本当の意味
無事にお祓いをしていただき自宅へ帰ると、宮司さんからいただいた授与品の中に「絵馬」が入っていました。「何を書こうか?」と考えたものの、やはり息子の七五三の絵馬ですから、「健康にすくすく育ちますように」と願うのが一番自然だと思い直しました。
一方で、大人には「叶えてほしいこと」がたくさんあります。自分の願いとは何だろうかと思い巡らせていたとき、ふと頭に浮かんだのが、1940年のディズニー映画『ピノキオ』の主題歌として知られる名曲『星に願いを(When You Wish Upon a Star)』です。
When you wish upon a star
クリフ・エドワーズ『星に願いを(When You Wish Upon a Star)』(1940年)
Makes no difference who you are
Anything your heart desires
Will come to you
この楽曲は、木彫り職人のゼペットが「ピノキオに本物の人間の子供になってほしい」と夜空の星に純粋な願いを込める物語の象徴として歌われます。歌詞全体を通じて、「君が誰であろうと、心の底から夢を描き、その想いが強く純粋であれば、運命は突然の稲妻のように介入して君の願いを叶えてくれるだろう」という普遍的なメッセージが込められています(※全文の歌詞はGoogle検索等でご確認いただけます)。
03. 「願うこと」を行動へとコンパイルする
私はこの歌・歌詞が持つ情熱的な哲学がとても好きです。
それは、言葉のままにただ漫然と「願う」だけでも、頭の中で「想う」だけでもないからです。もしその願いや想いが「本物」であるならば、人間は自ずと日々の「行動」が変わってくるはずだ、という真理を突いているように感じるのです。
- STEP 01 // GENUINE WISH(本物の願い・内発的動機)
- 誰かに言われたからではなく、「こうなりたい」「この仕組みを解き明かしたい」と心の底から強く願う初期エネルギー。
- STEP 02 // BEHAVIORAL SHIFT(行動の変容と積み重ね)
- 想いが本物であれば、毎日の選択や行動が自然と変わる。その瞬間を真剣に生き、試行錯誤(デバッグ)を積み重ねていくプロセス。
- STEP 03 // REALIZATION(未来の実装)
- 行動を積み重ね続けた先に、まるで運命が味方したかのように想いや願いが現実として形を結ぶ。
行動を積み重ね、目の前の瞬間を真剣に生きていけば、想いや願いは必ず現実へと出力(コンパイル)される。子供たちの健やかな成長は氏神様の絵馬に託して、私自身の願いは星にかけながら、日々のラボでの実践へと注ぎ込んでいきたいと思います。
PHILOSOPHY & OVERVIEW // ENGINEERING & ROBOTICS LAB
知的好奇心に火をつけ、自ら行動する「設計者」を育てる
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