数学を教えていて思うこと

 

まずはtakaが書いた記事、新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』から読んでください。

新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』

数学(中高生)を教え始めて10数年経ってしまいましたが、ずっと思い続けていることはテキストが読めない子供が多いということです。

本来、その学年の子供たちに合わせて作られたものなので十分読める内容(難しい内容のテキストではなくどちらかというと分かりやすいテキストを採用している)だと思うのですが、それでも自分で説明が読めない、かなりの助けがなくては理解できないなどといった場面を毎年繰り返しています。

どの学年も最初は計算ばかりなので文章を読むという作業はあまりないのですが、文字式・方程式あたりから文章問題というものが登場してきます。

この文章問題に突入すると、とたんに分からなくなる人が激増します。

読むことすら嫌がる子、適当に読んで勘でやる子、読んでも的外れな子、とにかく文章から式が作れない。

文章から式が作れないというよりも、文章が理解できていないが正しいのだと思います。

この流れはグラフ(関数)の範囲でもみられ、最終的には受験数学になるとほとんど分からないという結果になってしまいます。

数学
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そして、よく子供たちから質問されることに、「Aという言葉が出てきたらBになるの?」、「Cならば必ずDなの?」といったパターン化があります。

これにはいつも困ってしまうのですが、文章を読まずにキーワードだけでなんとか問題を解こう、もしくはパターン化したものを全て暗記して問題に挑もう、といった一見ありがち(参考書やそれこそ塾なんかでも点を取るためにやっていそう)な、でもそれってAIでもできることなんじゃないのか?という方法を子供たちがやっているということです。

しかも、暗記のよくできる子供ならば、パターン化されたものを覚えるだけで好成績が出せたりするので恐ろしいものです。

こういった勉強方法でも、これから先困ることはないだろうという時代ならそれで大丈夫なんだろうし、何も危惧する必要はないのだと思います。

でも、新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読むと、割とこの本は現実に近いものだと思いますが、ちゃんと読解して問題を解かせないといけないんじゃないのか?と思ってしまいます。

タイムリーな話だと、先日、正多面体を教えていたのですが、当然面の数・辺の数・頂点の数は問題として出てきます。

5つしか種類がないのでその表を暗記してしまえばそれで問題が解けてしまうのですが、いつも私は考え方を説明するようにしています。なぜ辺の数はこうなるのか?、頂点の数はこうなるのか?ということを。(本当ならばなぜ正多面体は5つしかないのか?までできると良いのですが・・・笑)

でも、ほとんどの場合は理解してもらえず、表を覚える、もしくは図を見て数えるになってしまいます。

私は中学生以上しか教えていないので、小学生がどうなのか?は分かりません。

ただ、ずっと思っていることで、この本を読んで更にその思いが増したことは、やっぱり読解力を何とかしないといけないということです。

しかも、それは中学生からということではなく、もっと小さい頃から(幼児・小学生)やらなくてはいけないと思ってます。

しかし、入塾される方はあまり国語を選択されません。おそらくテクニック(パターン化)によって点数が取りにくい科目なのだと思います。

でも、この国語があらゆるベースになっていることは間違いないでしょう。

国語(読解)を伸ばすことでAIに負けない力を習得しようと思いませんか。